IE9ピン留め

オレンジ


冷蔵庫の中、てかてかまぶしいオレンジ。

希薄な世界で唯一くっきり浮かび上がる。


ああ、そうか。
これは希薄な海に投げられた、一本の綱。


この綱を手繰り寄せれば、
僕はこの海から這い上がれるの?

# by holeinfence | 2008-10-18 01:11 | 根っこ 


僕は今、風邪で家から出ることができません。

もう5日目。


一人暮らしの部屋にこもっていると、
外の世界の色が薄くなる。ぼやける。

関わりの薄いものから順に、消えていく。

僕の存在が少しでも世界に影響を与えているはずだと
信じていたけど、
結局、僕にとって希薄な世界に、
影響を与えられるはずがなかった。

ぼやけた世界に、ぼやけた自分。


孤独。


孤独には慣れた。


この5日の間に、一人の女の子が訪れた。
彼女もぼやけてた。

彼女が来たことには何の意味もない。
何も変わらない。


全てが希薄。


希薄な海で、僕は溺れているのだろうか。


# by holeinfence | 2008-10-18 01:09 | 根っこ 

かわらないもの。


おじいちゃん、おばあちゃん、少し縮んでた。


今年のお盆は8年ぶりに父の帰省に付いて行きました。

親戚一同、ちょっと高めの料理屋さんで食事会。
皆と久しぶりに話しました。
どうやら皆さん、最初は僕のことがわからなかったようです。
ま、8年も経ってるしね。

おじいちゃんはマイペースにぽつりぽつりと昔話を語り、
おばあちゃんはあれこれと皆に話かける。
久しぶりに聞いた田舎の方言。柔らかくて好き。

おじいちゃんにビールを勧められたけど、僕はビールが飲めないのです。
成人した僕と一緒に酒を飲みたかったみたいだけど、どうしても飲めないんです。
帰りの運転もあったしね。
でも、おじいちゃんがちょっと寂しそうにしてたことに罪悪感を感じました。


ごめん、おじいちゃん。次来るときまでには飲めるようになっとくから。


いや、でも、やっぱり無理かな。



他の親戚も皆変わっていました。
8年も経ったんだから当たり前か。

8年前、17で結婚して子どもを生んだ従兄弟が、2人目を生んで
二児の母親になっていたことに驚かされました。
あの頃荒れに荒れていた彼女が、落ち着いた穏やかな雰囲気を身につけていました。
役割が人を変えるって本当なんですね。

その子どもたちがまたやんちゃ坊主で。
一時も大人しく座ってられない。ずっと追いかけっこしてる。

田舎に帰ると、いつも小さな子どもがいて賑やかでいい。


8年前、お母さんにしがみ付いて離れなかった小さな女の子も、今や思春期真っ只中。
何やらEXILEのタカヒロが好きらしい。残念ながら僕にはどれが誰なのかわかりませんが。
彼女はお母さんに似て、とても優しい表情をしています。
こちらも自然と気持ちが和みます。

同じく8年前、お母さんにしがみ付いて離れなかったその子のお兄ちゃんも、
まだまだ甘えん坊な所もあるけど、ふとした瞬間に大人びて見えました。
もう高校生やもんね、いつまでも甘えてばっかりじゃいられないね。



食事を終えて、おじいちゃんの家に再集合。

この家は、若い頃に大工だったおじいちゃんが建てました。
立派な二階建ての大きな家。もうかなり古くなってあちこち痛んでいるけど、
田舎の風景に溶け込んでいて素敵。

昔、おじいちゃんに豆鉄砲を作ってもらったり、家の前の川で遊んだことを思い出しました。

ああ、懐かしいな。

元気なもので、やんちゃ坊主たちは家に着くなり川で遊びだしました。
それを見て僕は自然と顔がほころびます。


揺るぎの無い縦の線。


家の中は多少家具の配置が変わっていましたが、昔のままでした。
8年振りなのにどうしてこんなに落ち着いてしまうのだろう。
僕は昼寝をしたい欲求に駆られました。


しばらくすると、孫ができておじいちゃんになった叔父さんが帰ってきました。
やっぱり、僕が誰だか分からなかったようです。

昔はそのおじさんが恐くて苦手だったのですが、8年ぶりに会ってみると、
ただの口が良く回る豪快なおじさんになっていました。
孫ができて、丸くなったのかな?


そのおじさんに煙草は止めろと言われました。
昔、煙草のせいで病気になったとか。
それを聞いていた5才のやんちゃ坊主にも苦言を呈されました。
噴出しそうになるのを何とか堪えて、彼に止めることを誓いましたが、

ごめんなさい。嘘です。やめません。


そのやんちゃ坊主たちは、お絵かきが大好き。
ドラゴンボールの絵を描いていました。
僕が小さいとき大好きだったドラゴンボールが、
今も子どもたちの人気を集めていることを知ってうれしくなりました。

気分が良くなった僕は、彼らに絵の指導をしてやりました。
生意気にも、かれらは僕のお手本が全然違うと笑いやがりました。




皆でのんびりとした時間を過ごしている間、
おじいちゃんはうつらうつらしていました。


8年前と変わらない姿。





僕たちが帰るとき、おばあちゃんは泣いていました。

おじいちゃん、おばあちゃんに僕の両親を大切にしてくれと、何度も何度も頼まれました。
力強く「任せて」と言えなかったことに後悔。



来年から僕は社会に出ます。

これからは、僕を育ててくれた人たちに、これまで受けた恩を少しずつ返していくつもりです。
両親はもちろん、おじいちゃん、おばあちゃんもね。
僕はまだまだ力不足で、まとめてかえすことはできないから、


だから、


長生きしてね。



また、帰ってくるから、元気でね。

# by holeinfence | 2008-08-23 04:20 | 根っこ 

鈍重


この頃、頭痛に悩まされている。
体が重く、思考も鈍重だ。

この不規則な生活のせいか。

欲するままに眠り、起きてもちゃんと覚醒することは稀。
時間の感覚はすっかり狂ってしまった。


こんな状態になったのはなぜ?

何をどうしたいのか。
誰にどうしてほしいのか。

わからない。
自分の欲がわからない。

もしかすると、
こんな状態こそが僕の望んだものなのか。



頭痛が悪化すると分かっていて
タバコを吸い続けてしまう自分がおかしい。

# by holeinfence | 2008-07-30 01:33 |  

意思


「子は親を選べない」という言葉があるが、
そうではなく、
「子は親を選んで生まれてくる」。

ある資質を持った子は、ある資質を持った者を親とするしか生まれる術はない。
人間として生まれるために、その親を選んだ。

私自身がこの両親を選んだ。



そう思うことができたら、

きっと世界の何%かは平和になる。

# by holeinfence | 2008-07-20 00:02 | 葉っぱ 

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